問題はどこに?

最近、テレビのトップニュースは北朝鮮の核ミサイル騒ぎです。そもそもナゼ北朝鮮がアメリカと戦争騒ぎをするのか。その原因を根っこから掘り下げてみたいと思います。なぜ米軍が韓国にいるのか。なぜ中国が交渉に出てくるのか。原因は第二次世界大戦終了時まで遡らねばならないと思います。日本大百科事典をベースに、経緯をまとめてみました。行政書士サイトですので、なるべく法的性格が見えるようにまとめたつもりです。

歴史的経過

先月の終戦の日のブログでお話しましたヤルタ協定から朝鮮半島が動き始めます。戦後の国際秩序を連合国が取り仕切っていくうち、朝鮮半島は連合国の共同での信託統治とする取り決めができました。ただしただの話し合いで、条約でもなんでもなく、詳細はあいまいなままでした。日本降伏後、連合国が日本の占領地に進駐していくなかで、朝鮮半島はソ連が北方から、米国が南から占領し、それぞれ金日成の北朝鮮と李承晩の大韓民国が北緯38度線付近を境に建国されます。混乱や民衆蜂起が続くうち、1950年6月25日早朝、武力衝突が発生し、戦端が開かれました。優勢な北朝鮮に対し、トルーマン米大統領は国連安保理に働きかけ、北を非難し、在日米軍の司令官であったマッカーサーを司令官とする国連軍総司令部を設置しました。ここで注意すべきはこの国連軍は、ソ連のボイコットにより法的には正式な国連軍とは呼べないものであり、むしろ後年の、1990年の湾岸戦争時の多国籍軍と似た存在でした(この時の国連軍の9割は米軍でした)。北朝鮮の猛烈な進撃が続き、一時は朝鮮半島南端まで追い詰められた韓国・国連軍でしたが、マッカーサーによる仁川上陸作戦が成功し、今度は北朝鮮軍が北方に追い詰められます。この時、中国人民志願軍(形式上正規軍でない)が突如国境を突破し、南下してきました(血の友誼とよばれる)。韓国・国連軍は甚大な損害を受け、南に押し戻されて38度線付近で戦況は膠着します。【この時、マッカーサーは、日本が朝鮮半島を防衛するためには国境を接する満州地区を占領しなければならないことを理解したといわれています。いくら北朝鮮軍を叩いても、満州地区から中国軍が湧いて出てくるのですから。日本が、朝鮮半島を防衛するためには、満州地区の占領または属国化は必要だ、と軍人であるマッカーサーは違和感なく考えたようです。誤解を招く表現で気分を害されたら申し訳ありません。当時の国際政治の感覚で書きました。】最終的に、マッカーサーは中国本土の空襲をトルーマンに進言し、却下され司令官を解任されます。ちなみに、後に政権交代したアイゼンハワー大統領は原爆使用を検討します(使用は断念)。こうして戦況が膠着するうち1953年7月27日に板門店で休戦協定が結ばれます。あくまでも「休戦」。調印者は北が金日成と中国軍司令官・彭徳懐。南が国連軍司令官マーク・クラーク。韓国側は協定に不満で欠席。蛇足ですが、日本も輸送と機雷掃海任務等で非公式に参戦(?)し、少数の犠牲者が出ています。

現在

たまに板門店がテレビに映るが、至近距離で両軍の兵士が睨みあいを続けている。韓国側はUNの腕章を付けている

北の金日成はそのあと国内の権力闘争を勝ち抜き、息子の金正日、現在の金正恩と権力を世襲させていく。「血の友誼」中国の北朝鮮への影響力はその後も強大である。

韓国には現在に至るも国連軍(本来は国連軍でなく多国籍軍。事実上米軍)が駐留している。

結局、韓国と北朝鮮は法的にはいまだ交戦状態であり、また国連軍という名の在韓米軍は、国連憲章第7章に規定された正規の国連軍ではない。中国は大量の志願兵を派遣させただけである。開戦して正規軍を送ったわけではない。

朝鮮半島は未だに大国の利害で動いている。米・中、共に法的にあいまいなまま、あの半島に力をおよぼしている・・・。

なんとなく朝鮮戦争史、まとまったでしょうか?皆様のニュース報道の理解に役立てれば幸いです。